赤尼鯛の焼き霜造り 木下商店@田崎市場

2013年07月22日

尼鯛の旬は、本来なら秋から冬にかけてになるだろうが、
ここしばらく田崎市場では、多くを見かけるようになった。
大抵は、天草物か、島根物になる。先週の市場でも、どの
仲卸でも扱っているようだった。しかも、値段がキロ3,000円
から3,500円と言う感じなので、良い物であれば、迷わず買い
と言うことになろうかと思う。

案の状、最初に覗いた木下商店(おにいさんの方)からは、
今日は赤尼鯛がお勧めだと開口一番に言う。もう少し早く来て
いれば、白川があったらしいのだが、タッチの差で売れて
しまったようだ。天草物も良いが、島根物が、特に良いと
言う。もちろん、断る理由もなく、一本を買い求めることに
した。そして、この季節にしかない、天草の赤雲丹と。

その後、いつものように古賀鮮魚、宮部鮮魚を回り、
それぞれ赤あこう鯛、天草の蛸に、鮗を買うことになった。

尼鯛は好きな魚の一つで、やや水分が多いのだが、それを
うまく抜いてやれば、刺身でも大変おいしく頂ける。刺身
なら、焼き霜造りが一番の好みの食べ方だ。香ばしく焼けた
皮と尼鯛らしい、ねっとりとした食感と、その旨味が噛む
ほどに口中に拡がる。それを純米酒の熱燗で、流す。これ
程の幸せはない。旬の季節になると、尼鯛も値段がどんどん
上がってしまい、かつ京都あたりの料理屋さんに上物は行っ
てしまうらしいので、せいぜい今の時期を楽しみたいと思う。

尼鯛は、うろこ毎皮を引いて、これはうろこの付いた皮を
揚げると良い摘みになるからだが、柵どりした身を、昆布
締めにしてもおいしく頂ける。或いは軽く塩をして、ピチット
シートで水分を抜いてもいい塩梅になるだろう。刺身で
なければ、一夜干しも本当に美味しいし、塩焼き、バター
焼きも実に捨てがたい。兜の酒蒸しも良い。

さて、天草の赤雲丹は、2か月程度しか漁が出来ない代物で、
口どけの良さに、濃厚すぎない味わいが、僕の好みに合って
いるように思う。白身か、烏賊の刺身にその雲丹を乗っけて、
食べる旨さも格別なものがある。こう書いているだけで、
もう喉が鳴って仕方がない。

夏の天草の蛸もこの時期に旨味を増す。塩を多めに振って、
ぬめりを十分に取り、茹で上げる。独特の食感を楽しんで
いると今年のまた異常なまでの暑さもつい忘れてしまいそ
うだ。そして、熱燗を頂く。このような感じで、週末を過
ごしている。魚を捌いた後の、出刃や刺身包丁の磨ぎも、
週末にはかかせない作業になってきた。流石に、毎週磨いで
いるせいか、一本の出刃の刃がだんだん小さくなってきて、
柄を一つ小さ目のものに替えて、小出刃にしないと行けなく
なりそうである。

ちなみに赤あこう鯛は、小ぶりのものであったので、半身
だけ刺身で食べることにし、残りの半身ともう一本はアクア
パッツアにし、鮗は、何本かを刺身にし、残りの多くを南蛮
漬けにした。揚げ物ついでになすの揚げ浸しを作ったのだが、
どうも体は正直で、冷たくて、酢の入ったものを欲しがって
いるようだ。

梅雨明けが例年より2週間以上早まった今年だが、この暑さ
が2か月以上も続くかと、うらめしくもなるが、せめておい
しい物に、おいしいお酒を合わせて、なんとか乗り切りたい
と思う。もちろん体を動かすことも、忘れずに、毎朝のジョ
ギングも欠かさぬようにして。ところで、今朝、今年1月
からの総走行距離を見てみたら、1,400キロを超えていた。
熊本から始まって、恐らくは静岡あたりに差し掛かった頃だ
ろうか。年内を待たずに東京には余裕で辿り着けそうかな。


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Posted by こむこむ at 18:31│Comments(0)田崎市場
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