赤貝肝湯引き 古閑鮮魚@田崎市場
2013年07月29日
先週土曜日の田崎市場は、時化のせいで魚が少なく
なんとなくのんびりモード。どこへ行っても、普段
なら忙しそうにしている仲買のひとたちも、暇な
せいか話しかけてくること、話しかけてくること。
朝っぱらから下ネタでイヒヒと隠微な笑いを上げて
みたり、まあ他愛もないもんだ。
古閑鮮魚さんを覗くと、ありゃまあ、こちらも少ない
ですな。目を引くのが、伊佐木に赤貝ぐらいか。赤貝
は身よりも、もちろん肝狙い(笑)。これをさっと湯引
きにして、氷水で締めたものを、わさび醤油で頂くと、
最高なんですな。合わせるのはもちろん純米酒の燗酒。
赤貝と言えば、自分的には、肝湯引きとなる。
宮部鮮魚さんでは、大阪湾のいわしを。金太郎いわし
と呼ぶようで、小ぶりなんだが、油がそれは細かい油
が全身に回って、程よいノリが、これも最高な味わいです。
どうやら大阪湾と言っても、淡路島の方に居ついている
いわしで、外海に出ず、湾内に留まっているせいか、油の
ノリが良いんだとか。こういういわしをエサにしている
せいだろう、いつか買ったやはり大阪湾の汐子(カンパチ
の小さいやつ)も、いい艶していたもんね。
さて、魚を捌いた後は、博多に出て、平尾にあるなかむた
さんで、三重県のるみ子の酒のるみ子さんを囲んでの
宴会へGO!それにしても、手が魚臭い(笑)
なんとなくのんびりモード。どこへ行っても、普段
なら忙しそうにしている仲買のひとたちも、暇な
せいか話しかけてくること、話しかけてくること。
朝っぱらから下ネタでイヒヒと隠微な笑いを上げて
みたり、まあ他愛もないもんだ。
古閑鮮魚さんを覗くと、ありゃまあ、こちらも少ない
ですな。目を引くのが、伊佐木に赤貝ぐらいか。赤貝
は身よりも、もちろん肝狙い(笑)。これをさっと湯引
きにして、氷水で締めたものを、わさび醤油で頂くと、
最高なんですな。合わせるのはもちろん純米酒の燗酒。
赤貝と言えば、自分的には、肝湯引きとなる。
宮部鮮魚さんでは、大阪湾のいわしを。金太郎いわし
と呼ぶようで、小ぶりなんだが、油がそれは細かい油
が全身に回って、程よいノリが、これも最高な味わいです。
どうやら大阪湾と言っても、淡路島の方に居ついている
いわしで、外海に出ず、湾内に留まっているせいか、油の
ノリが良いんだとか。こういういわしをエサにしている
せいだろう、いつか買ったやはり大阪湾の汐子(カンパチ
の小さいやつ)も、いい艶していたもんね。
さて、魚を捌いた後は、博多に出て、平尾にあるなかむた
さんで、三重県のるみ子の酒のるみ子さんを囲んでの
宴会へGO!それにしても、手が魚臭い(笑)
ランチあれやこれや
2013年07月23日
たまにはランチネタでも。
暑くなってくると何故かカレー。と言うことで、スリランカくまもと
さん@下通りのヌードルカレー。ドライカレーも人気があるかな。

ランチビールがあるのだが、我慢するのが大変w
一方で、不思議にがっつり行きたくなるのは、なぜだろう。夏バテって
そう言えばここ何年と経験したことがありませぬ。

博多は天神にあるアントンさん。ジュンク堂書店のとなりのビルの地下
にあります。地下どおしで二つのビルがつながっているの、初めて知り
ましたが、この巨大ハンバーグ(カメラに収まりきりませんがな 笑)
なんと350㌘ありますよ。ママさんに、その重量を聞いて、一瞬引いた
のだが、いやあ、結構みなさんペロッと行っちゃいますよ、と言われて
ぢゃあそれで、と。結論から言いますと、ペロッと行けちゃいました。
ははは。
こちらのお店は、ソプラノ歌手の林麻耶さんから、こっそり(笑)教え
てもらったのですが、書いちゃって良いのかなw
そして、心配な張り紙のえっちゃん食堂@熊本商工会議所近く。

ショックを受けてから3週間が経っているが、再開しているだろうか。
或る日のランチはこんな感じでした。

センスのない盛り付けでスイマセンw 目の前のカウンターに置かれた
大皿から自由に取って良いのだが、殆どが揚げ物です。おやぢさんが、
その気になった日はもう超ラッキーですよ。味噌汁代わりにとんこつ
ラーメンが出されますからね。で、どんだけ食べても600円。素敵な
お店です。えっちゃん食堂。
暑くなってくると何故かカレー。と言うことで、スリランカくまもと
さん@下通りのヌードルカレー。ドライカレーも人気があるかな。

ランチビールがあるのだが、我慢するのが大変w
一方で、不思議にがっつり行きたくなるのは、なぜだろう。夏バテって
そう言えばここ何年と経験したことがありませぬ。

博多は天神にあるアントンさん。ジュンク堂書店のとなりのビルの地下
にあります。地下どおしで二つのビルがつながっているの、初めて知り
ましたが、この巨大ハンバーグ(カメラに収まりきりませんがな 笑)
なんと350㌘ありますよ。ママさんに、その重量を聞いて、一瞬引いた
のだが、いやあ、結構みなさんペロッと行っちゃいますよ、と言われて
ぢゃあそれで、と。結論から言いますと、ペロッと行けちゃいました。
ははは。
こちらのお店は、ソプラノ歌手の林麻耶さんから、こっそり(笑)教え
てもらったのですが、書いちゃって良いのかなw
そして、心配な張り紙のえっちゃん食堂@熊本商工会議所近く。

ショックを受けてから3週間が経っているが、再開しているだろうか。
或る日のランチはこんな感じでした。

センスのない盛り付けでスイマセンw 目の前のカウンターに置かれた
大皿から自由に取って良いのだが、殆どが揚げ物です。おやぢさんが、
その気になった日はもう超ラッキーですよ。味噌汁代わりにとんこつ
ラーメンが出されますからね。で、どんだけ食べても600円。素敵な
お店です。えっちゃん食堂。
赤尼鯛の焼き霜造り 木下商店@田崎市場
2013年07月22日
尼鯛の旬は、本来なら秋から冬にかけてになるだろうが、
ここしばらく田崎市場では、多くを見かけるようになった。
大抵は、天草物か、島根物になる。先週の市場でも、どの
仲卸でも扱っているようだった。しかも、値段がキロ3,000円
から3,500円と言う感じなので、良い物であれば、迷わず買い
と言うことになろうかと思う。
案の状、最初に覗いた木下商店(おにいさんの方)からは、
今日は赤尼鯛がお勧めだと開口一番に言う。もう少し早く来て
いれば、白川があったらしいのだが、タッチの差で売れて
しまったようだ。天草物も良いが、島根物が、特に良いと
言う。もちろん、断る理由もなく、一本を買い求めることに
した。そして、この季節にしかない、天草の赤雲丹と。
その後、いつものように古賀鮮魚、宮部鮮魚を回り、
それぞれ赤あこう鯛、天草の蛸に、鮗を買うことになった。
尼鯛は好きな魚の一つで、やや水分が多いのだが、それを
うまく抜いてやれば、刺身でも大変おいしく頂ける。刺身
なら、焼き霜造りが一番の好みの食べ方だ。香ばしく焼けた
皮と尼鯛らしい、ねっとりとした食感と、その旨味が噛む
ほどに口中に拡がる。それを純米酒の熱燗で、流す。これ
程の幸せはない。旬の季節になると、尼鯛も値段がどんどん
上がってしまい、かつ京都あたりの料理屋さんに上物は行っ
てしまうらしいので、せいぜい今の時期を楽しみたいと思う。
尼鯛は、うろこ毎皮を引いて、これはうろこの付いた皮を
揚げると良い摘みになるからだが、柵どりした身を、昆布
締めにしてもおいしく頂ける。或いは軽く塩をして、ピチット
シートで水分を抜いてもいい塩梅になるだろう。刺身で
なければ、一夜干しも本当に美味しいし、塩焼き、バター
焼きも実に捨てがたい。兜の酒蒸しも良い。
さて、天草の赤雲丹は、2か月程度しか漁が出来ない代物で、
口どけの良さに、濃厚すぎない味わいが、僕の好みに合って
いるように思う。白身か、烏賊の刺身にその雲丹を乗っけて、
食べる旨さも格別なものがある。こう書いているだけで、
もう喉が鳴って仕方がない。
夏の天草の蛸もこの時期に旨味を増す。塩を多めに振って、
ぬめりを十分に取り、茹で上げる。独特の食感を楽しんで
いると今年のまた異常なまでの暑さもつい忘れてしまいそ
うだ。そして、熱燗を頂く。このような感じで、週末を過
ごしている。魚を捌いた後の、出刃や刺身包丁の磨ぎも、
週末にはかかせない作業になってきた。流石に、毎週磨いで
いるせいか、一本の出刃の刃がだんだん小さくなってきて、
柄を一つ小さ目のものに替えて、小出刃にしないと行けなく
なりそうである。
ちなみに赤あこう鯛は、小ぶりのものであったので、半身
だけ刺身で食べることにし、残りの半身ともう一本はアクア
パッツアにし、鮗は、何本かを刺身にし、残りの多くを南蛮
漬けにした。揚げ物ついでになすの揚げ浸しを作ったのだが、
どうも体は正直で、冷たくて、酢の入ったものを欲しがって
いるようだ。
梅雨明けが例年より2週間以上早まった今年だが、この暑さ
が2か月以上も続くかと、うらめしくもなるが、せめておい
しい物に、おいしいお酒を合わせて、なんとか乗り切りたい
と思う。もちろん体を動かすことも、忘れずに、毎朝のジョ
ギングも欠かさぬようにして。ところで、今朝、今年1月
からの総走行距離を見てみたら、1,400キロを超えていた。
熊本から始まって、恐らくは静岡あたりに差し掛かった頃だ
ろうか。年内を待たずに東京には余裕で辿り着けそうかな。
ここしばらく田崎市場では、多くを見かけるようになった。
大抵は、天草物か、島根物になる。先週の市場でも、どの
仲卸でも扱っているようだった。しかも、値段がキロ3,000円
から3,500円と言う感じなので、良い物であれば、迷わず買い
と言うことになろうかと思う。
案の状、最初に覗いた木下商店(おにいさんの方)からは、
今日は赤尼鯛がお勧めだと開口一番に言う。もう少し早く来て
いれば、白川があったらしいのだが、タッチの差で売れて
しまったようだ。天草物も良いが、島根物が、特に良いと
言う。もちろん、断る理由もなく、一本を買い求めることに
した。そして、この季節にしかない、天草の赤雲丹と。
その後、いつものように古賀鮮魚、宮部鮮魚を回り、
それぞれ赤あこう鯛、天草の蛸に、鮗を買うことになった。
尼鯛は好きな魚の一つで、やや水分が多いのだが、それを
うまく抜いてやれば、刺身でも大変おいしく頂ける。刺身
なら、焼き霜造りが一番の好みの食べ方だ。香ばしく焼けた
皮と尼鯛らしい、ねっとりとした食感と、その旨味が噛む
ほどに口中に拡がる。それを純米酒の熱燗で、流す。これ
程の幸せはない。旬の季節になると、尼鯛も値段がどんどん
上がってしまい、かつ京都あたりの料理屋さんに上物は行っ
てしまうらしいので、せいぜい今の時期を楽しみたいと思う。
尼鯛は、うろこ毎皮を引いて、これはうろこの付いた皮を
揚げると良い摘みになるからだが、柵どりした身を、昆布
締めにしてもおいしく頂ける。或いは軽く塩をして、ピチット
シートで水分を抜いてもいい塩梅になるだろう。刺身で
なければ、一夜干しも本当に美味しいし、塩焼き、バター
焼きも実に捨てがたい。兜の酒蒸しも良い。
さて、天草の赤雲丹は、2か月程度しか漁が出来ない代物で、
口どけの良さに、濃厚すぎない味わいが、僕の好みに合って
いるように思う。白身か、烏賊の刺身にその雲丹を乗っけて、
食べる旨さも格別なものがある。こう書いているだけで、
もう喉が鳴って仕方がない。
夏の天草の蛸もこの時期に旨味を増す。塩を多めに振って、
ぬめりを十分に取り、茹で上げる。独特の食感を楽しんで
いると今年のまた異常なまでの暑さもつい忘れてしまいそ
うだ。そして、熱燗を頂く。このような感じで、週末を過
ごしている。魚を捌いた後の、出刃や刺身包丁の磨ぎも、
週末にはかかせない作業になってきた。流石に、毎週磨いで
いるせいか、一本の出刃の刃がだんだん小さくなってきて、
柄を一つ小さ目のものに替えて、小出刃にしないと行けなく
なりそうである。
ちなみに赤あこう鯛は、小ぶりのものであったので、半身
だけ刺身で食べることにし、残りの半身ともう一本はアクア
パッツアにし、鮗は、何本かを刺身にし、残りの多くを南蛮
漬けにした。揚げ物ついでになすの揚げ浸しを作ったのだが、
どうも体は正直で、冷たくて、酢の入ったものを欲しがって
いるようだ。
梅雨明けが例年より2週間以上早まった今年だが、この暑さ
が2か月以上も続くかと、うらめしくもなるが、せめておい
しい物に、おいしいお酒を合わせて、なんとか乗り切りたい
と思う。もちろん体を動かすことも、忘れずに、毎朝のジョ
ギングも欠かさぬようにして。ところで、今朝、今年1月
からの総走行距離を見てみたら、1,400キロを超えていた。
熊本から始まって、恐らくは静岡あたりに差し掛かった頃だ
ろうか。年内を待たずに東京には余裕で辿り着けそうかな。
名残り酒 家康本店@安政町
2013年07月10日
どうしても足が向いてしまう家康本店さん。46年もの
長きに亘って営業を続けられたお店も来月10日を以て
店じまいとなる。最近通い出したばかりなのに、名残り
惜しさが先に立ってしまうのだ。
キリンラガーを、おかあさんに頼む。最初の一杯だけは
注いでくれる。こちらでは大瓶だ。冷えたビールを流し
こむ。
ざく切りにしたキャベツにたれがかかった大皿がまず出さ
れるのだが、この地方での流儀にもようやく慣れただろう
か。そのキャベツに七味を振り、それをポリポリとアテに
しながら、焼き物が焼きあがるのを待つ。おとうさんが、
厨房(と言ってもまるっきりオープンだが)中央にデンと
置かれたかまどで手際よく焼き上げるのを眺めながら、
キャベツをポリっと。そして、ビールを一口啜る。ふと
入口の方に目を向けると、おかあさんの背中が見える。
おかあさんが、串の出具合を見計らいながら、せっせと
手を動かしている。串を打っている。
お待たせしました。おとうさんが、焼きあがった串を皿の
上に置いてくれる。熱々を頬張る。最初に頼んだのは、タン
とハツに牛ハラミだったか。味付けは、もうおとうさんに
お任せなのだが、物によって塩だけだったり、さっとタレを
刷毛で塗ったものが出てくる。タレと言っても軽い感じかな。
グッと来るような重さがないので、何本でも行こうと思えば
行ける。
串もモツから、肉そのもの、魚介系に、野菜串もあって、実
にバラエティに富んでいる。特に、豚足や牛タンステーキは
おすすめの焼き物と言えるだろう。
しかし、常連さんとおとうさんとの遣り取りは、どうしても
来月に迫った閉店の話にどうしてもなってしまう。おかあさん
はその遣り取りを聞いているようにも、聞こえてないようにも
見えるが、実に見た目には淡々としたものである。
それにしても趣味を全く持たないと言うおとうさんはどうする
のだろう。しばらくはゆっくり体を休めることになるのだろうが、
おかあさんとあちらこちら旅行にでも行くのかな。
もう少し串を頼むとしようか。ついでにビールも。豚なんこつ、
鶏身を。改めて、おかあさんからお酌をしてもらい。
おとうさん、お客さんに勧められて、ビール一気飲みのパフォ
ーマンスを繰り広げている。小さく、拍手が店内に響き渡る。
グラスに注いだビールを、グラスに口を付けずに一息にカポっ
と飲み干し、更にそのグラスを頭上に放り投げ、宙にクルクル
クルっと回転させてすっと受け止めるのだ。それを勧められる
度に繰り返すのだが。
なんとも言えぬ気分がし、ビールをまた一口啜る。追加で足し
てくれたキャベツを飽きもせず、ポリポリ齧る。また一口。
戸口がガラリと開いて、新しいお客が顔を覗かせる。奥の
座敷では、送別会なのか、そのお客らしい。全員そろったようで、
串の大量注文が入ったようだ。さあ、今晩もこれから忙しさを
増すだろう。そうなる前に、余韻が余韻のままで止まってくれる
うちに、僕は引き上げることにしよう。
ごちそうさまでした。また何度でも来ますね。そう言ってみた
ものの、果たして何回来れるだろうか。ため息ともつかぬ
独り言を繰りながら、お店を後にする。名残り酒。
店名 家康 本店
TEL 096-324-8435
住所 熊本県熊本市中央区中央街2-26
営業時間 17時~
定休日 日曜日
長きに亘って営業を続けられたお店も来月10日を以て
店じまいとなる。最近通い出したばかりなのに、名残り
惜しさが先に立ってしまうのだ。
キリンラガーを、おかあさんに頼む。最初の一杯だけは
注いでくれる。こちらでは大瓶だ。冷えたビールを流し
こむ。
ざく切りにしたキャベツにたれがかかった大皿がまず出さ
れるのだが、この地方での流儀にもようやく慣れただろう
か。そのキャベツに七味を振り、それをポリポリとアテに
しながら、焼き物が焼きあがるのを待つ。おとうさんが、
厨房(と言ってもまるっきりオープンだが)中央にデンと
置かれたかまどで手際よく焼き上げるのを眺めながら、
キャベツをポリっと。そして、ビールを一口啜る。ふと
入口の方に目を向けると、おかあさんの背中が見える。
おかあさんが、串の出具合を見計らいながら、せっせと
手を動かしている。串を打っている。
お待たせしました。おとうさんが、焼きあがった串を皿の
上に置いてくれる。熱々を頬張る。最初に頼んだのは、タン
とハツに牛ハラミだったか。味付けは、もうおとうさんに
お任せなのだが、物によって塩だけだったり、さっとタレを
刷毛で塗ったものが出てくる。タレと言っても軽い感じかな。
グッと来るような重さがないので、何本でも行こうと思えば
行ける。
串もモツから、肉そのもの、魚介系に、野菜串もあって、実
にバラエティに富んでいる。特に、豚足や牛タンステーキは
おすすめの焼き物と言えるだろう。
しかし、常連さんとおとうさんとの遣り取りは、どうしても
来月に迫った閉店の話にどうしてもなってしまう。おかあさん
はその遣り取りを聞いているようにも、聞こえてないようにも
見えるが、実に見た目には淡々としたものである。
それにしても趣味を全く持たないと言うおとうさんはどうする
のだろう。しばらくはゆっくり体を休めることになるのだろうが、
おかあさんとあちらこちら旅行にでも行くのかな。
もう少し串を頼むとしようか。ついでにビールも。豚なんこつ、
鶏身を。改めて、おかあさんからお酌をしてもらい。
おとうさん、お客さんに勧められて、ビール一気飲みのパフォ
ーマンスを繰り広げている。小さく、拍手が店内に響き渡る。
グラスに注いだビールを、グラスに口を付けずに一息にカポっ
と飲み干し、更にそのグラスを頭上に放り投げ、宙にクルクル
クルっと回転させてすっと受け止めるのだ。それを勧められる
度に繰り返すのだが。
なんとも言えぬ気分がし、ビールをまた一口啜る。追加で足し
てくれたキャベツを飽きもせず、ポリポリ齧る。また一口。
戸口がガラリと開いて、新しいお客が顔を覗かせる。奥の
座敷では、送別会なのか、そのお客らしい。全員そろったようで、
串の大量注文が入ったようだ。さあ、今晩もこれから忙しさを
増すだろう。そうなる前に、余韻が余韻のままで止まってくれる
うちに、僕は引き上げることにしよう。
ごちそうさまでした。また何度でも来ますね。そう言ってみた
ものの、果たして何回来れるだろうか。ため息ともつかぬ
独り言を繰りながら、お店を後にする。名残り酒。
店名 家康 本店
TEL 096-324-8435
住所 熊本県熊本市中央区中央街2-26
営業時間 17時~
定休日 日曜日
コの字カウンターで〆の一杯 ぼんそわ@新橋/東京
2013年07月08日
最近、見たテレビ番組の影響で、お腹を出して
出して、引っ込め、引っ込め、しながら歩いて
いるせいか、歩き方が変、或いはどこか怪しい
かもと言われているこむこむです。効果がある
のかどうか分かりませんが、3カ月やってみて
結果報告しますね。
さて。
普通飲んだ後の〆ともなれば、ラーメンとなる
ところだが、すっかりその習慣からも遠ざかり。
が、しかし、東京に戻れば、そうも言ってられ
まい(笑)悪しき習慣が頭をもたげても良さそう
なものだが、ラーメンまでなかなかたどり着け
ませぬ。で、たどり着いたのが、新橋にある立ち
飲みのぼんそわさん。おかあさんと息子さんの
お二人が切り盛りしているこじんまりとしたお店
であり、所謂飲み屋街からは少し離れた場所に
ある。
お、やってる、やってる。
ぼんそわー!(こんばんはー!)
もうすでに何軒か飲み歩いているが、まずは
ビールで。ポテサラでももらいますか。お疲れ
ちゃーーーーん!(ほんとに 笑)ぐびぐび、
くー、んまい。もう、水代わりですな。
遅い時間だったせいか、ピークは過ぎ、一人客
に二人客の二組しかお店にはおらず、息子さん、
おかあさんと他愛のない話で、盛り上がっている。
知らず知らず、その話に耳を傾けているうちに、
合いの手を入れたり。気が付けば、その輪にすっ
ぽり入っている。そこが、こじんまりとした
立ち飲みやの良いところ。
コの字のカウンターはなぜなのか、落ち着く。
立ち飲みでコの字カウンターのお店なら、月島に
ある大嶋屋も、同じような感じかな。(ビル再
開発で、場所が移転しているようなので、注意して
下さいね。)東京には、コの字カウンターの
飲み屋はたくさんあるように感ぜられるのだが、
こちら熊本ではどうだろう?まだ、出会ってな
いかも知れぬ。どうしてか?おそらく、飲みの
スタイルが違っているように思える。そこの
あたりの考察はゆっくりするとして。
ビールのお次は、やはりホッピーでしょう!
(ホッピーミーナ 大喜び!)ぼんそわさんでは、
ジョッキに、焼酎をたっぷり注いでくれるので、
実に危険なのだが、ノンベにとってこれほどうれしい
サービスはないだろう。ホッピー一本ありゃ、三杯は
飲れそうだから、そりゃあもうさぞかし素敵な心持
ちになるだろう。
いや、それにしても、ぼんそわさんにいらっしゃる
お客さんは、どの方も実に個性的。絡みが尋常ぢゃあ
ないよ(あ、自分もか 苦笑)。味わい深くて、
常連さんが多いのも頷ける。そうこうしているうちに、
ゲゲっ!?もうこんな時間だ。ひょえー、流石にホテル
に戻らなきゃ。〆の一杯とは言いながら、ぐびぐび
行っちゃいましたね。でも、ラーメンには行かなかった
ゾ(えらい! 自分!)
でも、次の日も、ぼんそわに行っちゃったゾ(えらいか!?
自分!? 笑)
ぼんそわ
住所 東京都港区新橋4-15-5
交通手段 新橋駅から258m
営業時間 17:45~23:30
夜10時以降入店可
定休日 土曜・日曜・祝
出して、引っ込め、引っ込め、しながら歩いて
いるせいか、歩き方が変、或いはどこか怪しい
かもと言われているこむこむです。効果がある
のかどうか分かりませんが、3カ月やってみて
結果報告しますね。
さて。
普通飲んだ後の〆ともなれば、ラーメンとなる
ところだが、すっかりその習慣からも遠ざかり。
が、しかし、東京に戻れば、そうも言ってられ
まい(笑)悪しき習慣が頭をもたげても良さそう
なものだが、ラーメンまでなかなかたどり着け
ませぬ。で、たどり着いたのが、新橋にある立ち
飲みのぼんそわさん。おかあさんと息子さんの
お二人が切り盛りしているこじんまりとしたお店
であり、所謂飲み屋街からは少し離れた場所に
ある。
お、やってる、やってる。
ぼんそわー!(こんばんはー!)
もうすでに何軒か飲み歩いているが、まずは
ビールで。ポテサラでももらいますか。お疲れ
ちゃーーーーん!(ほんとに 笑)ぐびぐび、
くー、んまい。もう、水代わりですな。
遅い時間だったせいか、ピークは過ぎ、一人客
に二人客の二組しかお店にはおらず、息子さん、
おかあさんと他愛のない話で、盛り上がっている。
知らず知らず、その話に耳を傾けているうちに、
合いの手を入れたり。気が付けば、その輪にすっ
ぽり入っている。そこが、こじんまりとした
立ち飲みやの良いところ。
コの字のカウンターはなぜなのか、落ち着く。
立ち飲みでコの字カウンターのお店なら、月島に
ある大嶋屋も、同じような感じかな。(ビル再
開発で、場所が移転しているようなので、注意して
下さいね。)東京には、コの字カウンターの
飲み屋はたくさんあるように感ぜられるのだが、
こちら熊本ではどうだろう?まだ、出会ってな
いかも知れぬ。どうしてか?おそらく、飲みの
スタイルが違っているように思える。そこの
あたりの考察はゆっくりするとして。
ビールのお次は、やはりホッピーでしょう!
(ホッピーミーナ 大喜び!)ぼんそわさんでは、
ジョッキに、焼酎をたっぷり注いでくれるので、
実に危険なのだが、ノンベにとってこれほどうれしい
サービスはないだろう。ホッピー一本ありゃ、三杯は
飲れそうだから、そりゃあもうさぞかし素敵な心持
ちになるだろう。
いや、それにしても、ぼんそわさんにいらっしゃる
お客さんは、どの方も実に個性的。絡みが尋常ぢゃあ
ないよ(あ、自分もか 苦笑)。味わい深くて、
常連さんが多いのも頷ける。そうこうしているうちに、
ゲゲっ!?もうこんな時間だ。ひょえー、流石にホテル
に戻らなきゃ。〆の一杯とは言いながら、ぐびぐび
行っちゃいましたね。でも、ラーメンには行かなかった
ゾ(えらい! 自分!)
でも、次の日も、ぼんそわに行っちゃったゾ(えらいか!?
自分!? 笑)
ぼんそわ
住所 東京都港区新橋4-15-5
交通手段 新橋駅から258m
営業時間 17:45~23:30
夜10時以降入店可
定休日 土曜・日曜・祝
高野豆腐のドライカレー
2013年07月04日
先週の日曜日。今年の梅雨は空梅雨模様であったのだが、流石
にそれでも降る時は、降る。しかも、スコールの様な雨がだ。
その梅雨の間の晴れ間となったその日は、朝方まで結構な降り
が続いていたのだが、それも上がって、日中にはお日様も出て
きた。
気が付くと、遠くで蝉が鳴いている。何を急いて出てきてしま
ったのだろうか。短い命なのに、また降り出してくる雨に打たれ
続けることもなかろうに。
それでも、もうすぐ蝉しぐれの季節がやってくる。熊蝉のそれ
はそれはうるさいほどの蝉しぐれの季節が。照りつけるお日様
にちょっとうらめしい気持ちをつい抱いてしまうような。
さて。
ふとした拍子に、不思議と無性に食べたくなるものが、ある。
この時は、なぜか高野豆腐。出汁を一杯に含んだ、高野豆腐を
あんぐりと食べたら、おいしいよねえ、とそんな感覚が過ぎる
ものだから始末に負えない。いそいそと買い物に出かけ、それ
を買い求める。ついでに、煎りピーナツ粉なるものを買って
みた。小松菜あたりをごま和えならぬ、ピーナツ和えでどうか
と思う。
戻した高野豆腐は、そのまま炊くのも良いが、素揚げすると
不思議な食感の食材に形を変える。野菜の炊き合わせに加える
とコクが出ておいしく頂けるようになる。今回は、水気を切った
高野豆腐をプロセッサーにかけ、粉砕したものを使ってドライ
カレー風に味付けしようと。
鍋に油を取り火にかけ、スタータースパイス(このときは、
フェネグリーク、クミン、マスターシードだったかな?)を
何種類か入れて、それらがパチパチ音を立てんばかりに熱して、
香りを引き出す。
そこに、みじん切りのしょうが、にんにく、たまねぎ、にんじん、
キャベツの芯を入れて、炒め合わせる。酒を振り、魚のアラで
取った出汁も加え入れ、そこに、高野豆腐を入れ、さらに炒める。
ざっくり炒めたところで、塩、胡椒に、ガラムマサラ、カレー粉、
ターメリック、カルダモンを好みに合わせて、男の料理だ、適当
にパラパラ振り入れ、味を見ながら調整する。
塩っけと香ばしさが欲しかったので、ニョクマムに醤油をほんの
少し加えて、汁気が飛ぶまで炒めて、完成。仕上げ前に、本当
ならパクチーをどっちゃり入れたいところだが、なかなか当地
では手に入らないので、ニラをどっちゃり入れてみた。ふた束で
なんと90円(やすー!
味見をする。どうれ。うまい。これはビールにも合うし、お酒に
も行けるかな。ワインでも。(結局、単なるノンベに過ぎぬか 笑)
ということで、ひき肉がなくても、高野豆腐さえ常備していれば、
ドライカレーが作れるのは良いですよ。しかもヘルシーだし。そん
なこんなな週末料理人なこむこむでありんした。この日は、本品
も入れて6品作りましたとさ。
にそれでも降る時は、降る。しかも、スコールの様な雨がだ。
その梅雨の間の晴れ間となったその日は、朝方まで結構な降り
が続いていたのだが、それも上がって、日中にはお日様も出て
きた。
気が付くと、遠くで蝉が鳴いている。何を急いて出てきてしま
ったのだろうか。短い命なのに、また降り出してくる雨に打たれ
続けることもなかろうに。
それでも、もうすぐ蝉しぐれの季節がやってくる。熊蝉のそれ
はそれはうるさいほどの蝉しぐれの季節が。照りつけるお日様
にちょっとうらめしい気持ちをつい抱いてしまうような。
さて。
ふとした拍子に、不思議と無性に食べたくなるものが、ある。
この時は、なぜか高野豆腐。出汁を一杯に含んだ、高野豆腐を
あんぐりと食べたら、おいしいよねえ、とそんな感覚が過ぎる
ものだから始末に負えない。いそいそと買い物に出かけ、それ
を買い求める。ついでに、煎りピーナツ粉なるものを買って
みた。小松菜あたりをごま和えならぬ、ピーナツ和えでどうか
と思う。
戻した高野豆腐は、そのまま炊くのも良いが、素揚げすると
不思議な食感の食材に形を変える。野菜の炊き合わせに加える
とコクが出ておいしく頂けるようになる。今回は、水気を切った
高野豆腐をプロセッサーにかけ、粉砕したものを使ってドライ
カレー風に味付けしようと。
鍋に油を取り火にかけ、スタータースパイス(このときは、
フェネグリーク、クミン、マスターシードだったかな?)を
何種類か入れて、それらがパチパチ音を立てんばかりに熱して、
香りを引き出す。
そこに、みじん切りのしょうが、にんにく、たまねぎ、にんじん、
キャベツの芯を入れて、炒め合わせる。酒を振り、魚のアラで
取った出汁も加え入れ、そこに、高野豆腐を入れ、さらに炒める。
ざっくり炒めたところで、塩、胡椒に、ガラムマサラ、カレー粉、
ターメリック、カルダモンを好みに合わせて、男の料理だ、適当
にパラパラ振り入れ、味を見ながら調整する。
塩っけと香ばしさが欲しかったので、ニョクマムに醤油をほんの
少し加えて、汁気が飛ぶまで炒めて、完成。仕上げ前に、本当
ならパクチーをどっちゃり入れたいところだが、なかなか当地
では手に入らないので、ニラをどっちゃり入れてみた。ふた束で
なんと90円(やすー!
味見をする。どうれ。うまい。これはビールにも合うし、お酒に
も行けるかな。ワインでも。(結局、単なるノンベに過ぎぬか 笑)
ということで、ひき肉がなくても、高野豆腐さえ常備していれば、
ドライカレーが作れるのは良いですよ。しかもヘルシーだし。そん
なこんなな週末料理人なこむこむでありんした。この日は、本品
も入れて6品作りましたとさ。
贅沢な朝食とは
2013年07月03日
最近では、高級ホテルでの、凝った朝食ブッフェを売り
にしたサービスが人気を集めているらしい。確かに、眺
望と見るからに、これでもかと並べられた贅沢でバラエ
ティに富んだ料理は充実感を与えてくれるだろう。
ところで、自分にとって、贅沢な直食とはなんだろう。
平日は、たいてい一時間程度のジョギングを終え、シャワ
ーを浴びた後取るのだが、ヨーグルトにフルーツ、それに
お茶一杯といたってシンプルなものである。この時期の
フルーツと言えば、スイカ。熊本はスイカの産地でもあり、
手ごろな値段で、おいしいスイカが手に入る。それを毎日
しゃりしゃりと食べるのだが、飽きることがない。ただ、
食べ終わった後は、結構、げふっと来る程の満腹感がある
のだが、すぐお腹が空いてしまうところが難点である。
スイカが終われば、梨が出るまでの間は、冷や汁にする
ことが多いだろうか。冷や汁の出汁は、決まってその前
の週末に、田崎市場で買い求めた魚のアラを炭火で素焼
きにしたもので取った出汁を使っている。これが、実に
おいしい。この時期の魚なら、鱧か真鯒が双璧だろうか。
上品でありながら、深いコクの味わいは他の魚では難しい
のではないだろうか。
週のうち一番の朝食は、日曜日になる。魚のアラで取った
出汁をベースにした味噌汁がメインのおかずになる。そこ
には、魚の肝に、白子や卵が入れられる。豆腐を少々割り
入れ、そこに小葱を刻んだものを散らす。味噌汁の表面
には肌理細かな油が浮いた熱々を頂く。深い味わいに毎度
ため息をつくほどだ。それに自家製の糠漬け、それも浸かり
過ぎた酸っぱい古漬けに、和からしを付けて、頂くとまた
新たな至福の時が訪れてくる。きゅうり、大根、パプリカ、
にんじん、それにしょうがが浸かっている。ときおり、
山芋を入れるのも良い。この時期なら、ミニトマトも
捨てがたいか。
この日曜日の朝食を続ける限り、土曜日の田崎市場通いを
止めることができぬ。今度の週末はどんな魚があるのか、
今から楽しみである。
外で頂く贅沢な朝食なら、出張で東京に戻った時であれば、
築地場外のかとうで頂く魚の煮つけに尽きる。地金目、
黒睦、なめた鰈あたりのカマの煮つけで、ビールを頂く。
かとうで出された魚ではずれを味わったことがない。どれも
素晴らしい。アルコールを頼むと、お通しで出される塩辛
も隠れた名品である。
これほど幸せなことはない。日曜日なら、築地は開いていない
ので、このごろは根津にあるそばや鷹匠に行くことにして
いる。朝、打ち立てられたそばを手繰るのも悪くはない。
今、思い浮かぶのはこれぐらいであろうか。あとは、唐津
川島豆腐店の朝食もあるか。ただ、最近は、店主がお店に顔
を出してこないのが、ちょっと寂しい。
にしたサービスが人気を集めているらしい。確かに、眺
望と見るからに、これでもかと並べられた贅沢でバラエ
ティに富んだ料理は充実感を与えてくれるだろう。
ところで、自分にとって、贅沢な直食とはなんだろう。
平日は、たいてい一時間程度のジョギングを終え、シャワ
ーを浴びた後取るのだが、ヨーグルトにフルーツ、それに
お茶一杯といたってシンプルなものである。この時期の
フルーツと言えば、スイカ。熊本はスイカの産地でもあり、
手ごろな値段で、おいしいスイカが手に入る。それを毎日
しゃりしゃりと食べるのだが、飽きることがない。ただ、
食べ終わった後は、結構、げふっと来る程の満腹感がある
のだが、すぐお腹が空いてしまうところが難点である。
スイカが終われば、梨が出るまでの間は、冷や汁にする
ことが多いだろうか。冷や汁の出汁は、決まってその前
の週末に、田崎市場で買い求めた魚のアラを炭火で素焼
きにしたもので取った出汁を使っている。これが、実に
おいしい。この時期の魚なら、鱧か真鯒が双璧だろうか。
上品でありながら、深いコクの味わいは他の魚では難しい
のではないだろうか。
週のうち一番の朝食は、日曜日になる。魚のアラで取った
出汁をベースにした味噌汁がメインのおかずになる。そこ
には、魚の肝に、白子や卵が入れられる。豆腐を少々割り
入れ、そこに小葱を刻んだものを散らす。味噌汁の表面
には肌理細かな油が浮いた熱々を頂く。深い味わいに毎度
ため息をつくほどだ。それに自家製の糠漬け、それも浸かり
過ぎた酸っぱい古漬けに、和からしを付けて、頂くとまた
新たな至福の時が訪れてくる。きゅうり、大根、パプリカ、
にんじん、それにしょうがが浸かっている。ときおり、
山芋を入れるのも良い。この時期なら、ミニトマトも
捨てがたいか。
この日曜日の朝食を続ける限り、土曜日の田崎市場通いを
止めることができぬ。今度の週末はどんな魚があるのか、
今から楽しみである。
外で頂く贅沢な朝食なら、出張で東京に戻った時であれば、
築地場外のかとうで頂く魚の煮つけに尽きる。地金目、
黒睦、なめた鰈あたりのカマの煮つけで、ビールを頂く。
かとうで出された魚ではずれを味わったことがない。どれも
素晴らしい。アルコールを頼むと、お通しで出される塩辛
も隠れた名品である。
これほど幸せなことはない。日曜日なら、築地は開いていない
ので、このごろは根津にあるそばや鷹匠に行くことにして
いる。朝、打ち立てられたそばを手繰るのも悪くはない。
今、思い浮かぶのはこれぐらいであろうか。あとは、唐津
川島豆腐店の朝食もあるか。ただ、最近は、店主がお店に顔
を出してこないのが、ちょっと寂しい。
その時期にしか味わえない味 ふるかわ@佐賀/佐賀
2013年07月01日
東京にいた時には、いつでも同じような野菜、魚を買えるような
気分があって、それはそれで便利と言えば便利と言えようが、
物事の旬と言うことを感覚として忘れてしまいそうになってしまう
ことは、考えて見れば哀しいことだということに気が付く。幸い、
自分の場合、魚が殊の外好物と言うこともあって、それが嵩じて、
築地にまで魚を買い求めるようになったのだが、そこには、確実
に季節を感じる旬のものが出回っている、その時期にしか味わえ
ない味がある。そのことが分かっただけでも、幸せと言うことだ
ろうか。
熊本に移り住んで4年が経つと、その季節感と言うものは、さらに
強く感じるものがある。先週まで出回っていたのに、今週になると
それが面白いほどに、ぱたりと存在を消してしまったかのような。
たとえば、空豆。東京であれば、それらはどこ産かは分からないが、
きっと未だに出回ってい、居酒屋の一品として供されているだろう。
しかし、熊本では、もう見ることはない。来年の時期が来るまで、
待たねばならない。来年まで、待たねばならない、そういうことを
改めて知ったのも、熊本に来てからである。
魚もしかり。例えば、鯖。秋から年末までの鯖は、油の乗りもあって
それは、刺身でも、酢で締めても、焼いても、煮ても、それはもうどう
やってもまずくなる筈がない、と言えるものだが、その旬が過ぎ、年
が明けてから、特に春先からの鯖はいけない。体つきも貧弱で、食べて
みても、艶やかさの欠片もない。後悔するだけである。むしろ、それを
通り越して、怒りすら覚えてしまうかも知れない。それほど、がっかり
させる味であった。
それからは、旬を迎える秋まで待つようになった。待つと言うことは、
決して辛いことではない、そう言うことを覚えるきっかけを持つことも
案外、楽しく幸せなことかと思う。
さて、長い前置きになったが、佐賀の居酒屋ふるかわである。つい
先日、熊本で知り合った飲み仲間と繰り出した時の事を記す。実は、
今回が2回目で、初回は4月だったか、その時は、東京で今では長い
付き合いとなるが、純米酒を通じて知り合った飲み仲間(一説には、
桃色吐息嬢とも言われている伝説上のザルならぬワクなのん兵衛さん)、
佐賀のそのお店で落ち合い、したたかに飲んで撃沈したのだが、
おとうちゃん、おかあちゃんのキャラクターに加えて、有明海の味
と言うものに大層気に言って、ここは良いよ、ではぜひ近いうちに
と言うことになり、2回目の訪問となったのである。
お店は、佐賀駅から歩いても、数分ぐらいの、飲み屋街エリアの
なかにある。それなりの時間の経過を感じさせる雑居ビルの2階に
あるのだが、2階への階段の雰囲気もあって、まずフリで入ること
はないだろう。でも、そこに入れば、そこでしか味わえない有明の
海の幸に確実に出会える。それを佐賀のお酒で味わう。そう思った
だけでも、また行きたくなる、そんなお店である。
カウンター数席に、小上がりが一つあるぐらいの小さな店。カウンタ
ー席に陣取って、おとうちゃん、おかあちゃんとの遣り取りを楽しん
でもらうのがおすすめだ。そして、佐賀の味。
ぜひ味わって欲しいのが、いそぎんちゃくだろう。初めて食べた時には、
むむむ、こんなおいしいものがあったのか、と唸った程だ。そして、
ちょびちょびつまんでいるうちに、つい杯を重ねてしまう。さきほど
出てきた桃色吐息嬢は、なんと下ごしらえが随分大変らしい、いそ
ぎんちゃくを丼一杯は食べてしまうらしい。小肌を酢締めしたものを、
パクパク食べるのと同じ感覚か。もっと、しっかり味わえと、頭の一つ
も小突いてみたくなろうと言うもの。
その日出されたのは、わらすぼ、くらげ、そしてエツと言う魚。おとう
ちゃんが言うには、年に2か月しか漁が出来ない魚で、どうも産卵の
為に川に遡上してくる時期にしか獲れないものなのだと。小骨が多い
魚で、例えて言うなら、コノシロが近いのかも知れぬ。九州では、ヒラ
と言う小骨の多い魚もあるが、実際に味わってみると、そのどちらでも
ない。良く噛みしめて味わうと、上品な油の味が口一杯に拡がって、
また後味の余韻がなんとも言えぬ。そして、おすすめの佐賀のお酒で
流す。これは良い。まったくもって素晴らしい味だ。このために、
時期を待って、わざわざ遠出をする価値がある。
そして、おとうちゃんとおかあちゃん。実に愛らしいお二人だ。見て
いるだけでも、こちらもほのぼのとしてくる。僕にとっても、貴重な
お店の一つになった。ありがたいことだ。
熊本から佐賀まで、鳥栖で乗り換えても、1時間もかからない
のだから、ふと思い立って、ふらりと行ってしまうだろうなあ。
佐賀の酒蔵の蔵開きの時期には、呼んでくれると言うのだが、多分
それまでは待てないような気がする。おいしいものの為には一年を
待つことができると言ったのは、ほんのちょっと嘘めいて聞こえて
しまうだろうか。
[ 居酒屋 ふるかわ ]
佐賀県佐賀市愛敬町3-7 2F
0952-26-6380
17:00~24:00
定休日:日・祝
気分があって、それはそれで便利と言えば便利と言えようが、
物事の旬と言うことを感覚として忘れてしまいそうになってしまう
ことは、考えて見れば哀しいことだということに気が付く。幸い、
自分の場合、魚が殊の外好物と言うこともあって、それが嵩じて、
築地にまで魚を買い求めるようになったのだが、そこには、確実
に季節を感じる旬のものが出回っている、その時期にしか味わえ
ない味がある。そのことが分かっただけでも、幸せと言うことだ
ろうか。
熊本に移り住んで4年が経つと、その季節感と言うものは、さらに
強く感じるものがある。先週まで出回っていたのに、今週になると
それが面白いほどに、ぱたりと存在を消してしまったかのような。
たとえば、空豆。東京であれば、それらはどこ産かは分からないが、
きっと未だに出回ってい、居酒屋の一品として供されているだろう。
しかし、熊本では、もう見ることはない。来年の時期が来るまで、
待たねばならない。来年まで、待たねばならない、そういうことを
改めて知ったのも、熊本に来てからである。
魚もしかり。例えば、鯖。秋から年末までの鯖は、油の乗りもあって
それは、刺身でも、酢で締めても、焼いても、煮ても、それはもうどう
やってもまずくなる筈がない、と言えるものだが、その旬が過ぎ、年
が明けてから、特に春先からの鯖はいけない。体つきも貧弱で、食べて
みても、艶やかさの欠片もない。後悔するだけである。むしろ、それを
通り越して、怒りすら覚えてしまうかも知れない。それほど、がっかり
させる味であった。
それからは、旬を迎える秋まで待つようになった。待つと言うことは、
決して辛いことではない、そう言うことを覚えるきっかけを持つことも
案外、楽しく幸せなことかと思う。
さて、長い前置きになったが、佐賀の居酒屋ふるかわである。つい
先日、熊本で知り合った飲み仲間と繰り出した時の事を記す。実は、
今回が2回目で、初回は4月だったか、その時は、東京で今では長い
付き合いとなるが、純米酒を通じて知り合った飲み仲間(一説には、
桃色吐息嬢とも言われている伝説上のザルならぬワクなのん兵衛さん)、
佐賀のそのお店で落ち合い、したたかに飲んで撃沈したのだが、
おとうちゃん、おかあちゃんのキャラクターに加えて、有明海の味
と言うものに大層気に言って、ここは良いよ、ではぜひ近いうちに
と言うことになり、2回目の訪問となったのである。
お店は、佐賀駅から歩いても、数分ぐらいの、飲み屋街エリアの
なかにある。それなりの時間の経過を感じさせる雑居ビルの2階に
あるのだが、2階への階段の雰囲気もあって、まずフリで入ること
はないだろう。でも、そこに入れば、そこでしか味わえない有明の
海の幸に確実に出会える。それを佐賀のお酒で味わう。そう思った
だけでも、また行きたくなる、そんなお店である。
カウンター数席に、小上がりが一つあるぐらいの小さな店。カウンタ
ー席に陣取って、おとうちゃん、おかあちゃんとの遣り取りを楽しん
でもらうのがおすすめだ。そして、佐賀の味。
ぜひ味わって欲しいのが、いそぎんちゃくだろう。初めて食べた時には、
むむむ、こんなおいしいものがあったのか、と唸った程だ。そして、
ちょびちょびつまんでいるうちに、つい杯を重ねてしまう。さきほど
出てきた桃色吐息嬢は、なんと下ごしらえが随分大変らしい、いそ
ぎんちゃくを丼一杯は食べてしまうらしい。小肌を酢締めしたものを、
パクパク食べるのと同じ感覚か。もっと、しっかり味わえと、頭の一つ
も小突いてみたくなろうと言うもの。
その日出されたのは、わらすぼ、くらげ、そしてエツと言う魚。おとう
ちゃんが言うには、年に2か月しか漁が出来ない魚で、どうも産卵の
為に川に遡上してくる時期にしか獲れないものなのだと。小骨が多い
魚で、例えて言うなら、コノシロが近いのかも知れぬ。九州では、ヒラ
と言う小骨の多い魚もあるが、実際に味わってみると、そのどちらでも
ない。良く噛みしめて味わうと、上品な油の味が口一杯に拡がって、
また後味の余韻がなんとも言えぬ。そして、おすすめの佐賀のお酒で
流す。これは良い。まったくもって素晴らしい味だ。このために、
時期を待って、わざわざ遠出をする価値がある。
そして、おとうちゃんとおかあちゃん。実に愛らしいお二人だ。見て
いるだけでも、こちらもほのぼのとしてくる。僕にとっても、貴重な
お店の一つになった。ありがたいことだ。
熊本から佐賀まで、鳥栖で乗り換えても、1時間もかからない
のだから、ふと思い立って、ふらりと行ってしまうだろうなあ。
佐賀の酒蔵の蔵開きの時期には、呼んでくれると言うのだが、多分
それまでは待てないような気がする。おいしいものの為には一年を
待つことができると言ったのは、ほんのちょっと嘘めいて聞こえて
しまうだろうか。
[ 居酒屋 ふるかわ ]
佐賀県佐賀市愛敬町3-7 2F
0952-26-6380
17:00~24:00
定休日:日・祝